鳥山ブログ
No.43
「役員の給与について」その1
平成24年2月3日(金)
鳥山昌則
税務調査において、役員の給与は古くて新しい問題です。
従来から役員報酬は定期同額、それ以外は役員賞与として損金不算入とされてきました。
税務調査官は、福利厚生費、交際費、消耗品費等の経費科目の中に社長をはじめとする役員の個人的な支払が混入されていないかについて目を光らせています。
役員賞与にされればどうなるのか?
法人税法上では“損金不算入”、個人の方は“源泉徴収漏れ”でダブルパンチ、往復ビンタで重加算税の憂き目に会ってしまいます。
例えば、自宅の冷蔵庫を会社で使っているとしていて、消耗品費に計上されていたようなケースです。
法人税、地方税、消費税、源泉所得税、重加算税、延滞税を加えると100%近く税金を支払う羽目になります。
例えば、250,000円(消費税別に12,500円)の冷蔵庫とすると30万円未満の少額減価償却資産の一括損金算入の特例を受けて消耗品費として損金に算入していると、次のような仕訳になっています。
消耗品費 250,000 / 現金又は役員借入金 262,500
仮払消費税 12,500 /
税務調査で否認されると、逆仕訳となり、
役員賞与 262,500 / 雑 収 入 250,000
/ 仮受消費税 12,500
税金は、 消費税 12,500円 法人税、地方税 250,000×40%(利益800万まで) =100,000円
源泉所得税は役員の給与を年間12,000,000円とすると地方税も含めた税率約40% 250,000×40%=100,000円
重加算税(事業税分も含め)法人税の約40%(事業税の重加算金を含む) 75,000×40%= 30,000円
延滞税、仮に3年前の修正申告とすると200,000×4.5%×3年=27,000円
合計269,500円で 100%以上税金を払う羽目になるのです。
ここで私なら、1つの方法をとります。
それは、役員が会社に貸付金を持っている場合(通常、会社の貸借対照表上、役員借入金に計上されています。)、役員が賞与をとったのではなく、貸付金を返してもらったこととしてもらうのです。
これは、強力にお願いします。
自分が役員(社長)なら、ボーナスなんてとる前に貸したお金を返してもらいますから、 今まで100%近く認めてもらっています。
これにより、今回のケースでは源泉所得税分(地方税含む)100,000円と加算税延滞税を含めて、約120,000円は助かります。
44%は安くなります。
但し、会社からは返済されたこととなる為、いずれ返してもらうお金は減りますが、オーナーにとっては、会社は一心同体のはず、痛くもかゆくもないのです。
むしろ社外流出するお金が出血ですから辛いのです。
また、以前から「使用人兼務役員」というものがあります。
これは、取締役営業部長、取締役総務部長のように、各目上役員であるが、実質上は使用人であるような場合の人をいいます。
この人に対する賞与で使用人分は損金算入とされるのです。
ただし、株式の保有割合によっては、役員にみなされる(みなし役員)場合があります。
このあたりは従来から税務調査において調査官と会社、税理士側との問題点となることが多いのです。
これに加えて、平成18年頃からの税制改正により、近年問題になるケースを次回紹介致します。
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